閉幕後の万博会場で実施されている、新たな取り組み。人手不足に悩む建設業界に変化が生まれています。
■万博解体現場に“遠隔操作”重機を導入
大阪・関西万博の閉幕からはや4カ月。多くの人で埋め尽くされていた会場はパビリオンの解体が着々と進み、すっかり様変わりしています。
そんな中、会場の西側では、ある実験的な取り組みが行われていました。
記者リポート
「解体が進んでいる大阪・関西万博ですが、あちらの現場では重機は動いているのですが、なんと中に人は乗っていません」
そう、無人で解体作業が進められているんです。一体どういうことかというと。操縦者は大阪市内にある解体業者のオフィスの中に!現場から約10キロ離れた場所から重機を動かしているんです。
これまで災害現場の復旧作業やインフラ工事の現場では導入が進んできた遠隔操作の技術。一方、解体現場で導入したのは、この業者が初めてです。
三同建設 工事統括部・法堂恵太さん
「解体工事というのは新築工事と違いまして、進めば進むほど安全ではない建物になっていきますので、重機でも遠隔操作であると、なおいっそう難しい形になりますので、なかなか参画、参入できなかったのが理由。大阪・関西万博のコンセプトに『未来社会の実験場』という位置づけがございまして、実験場の1つとして万博の会場を選んでいます」
■人手不足に悩む建設業界の救世主となるか
安全を確保した状態で、天候にも左右されず作業ができる遠隔操作の重機。建設業界全体で人手不足や高齢化が進む中、技術が広がることで、妊娠中の女性や障がいのある人など幅広い人材が活躍できる未来を期待しています。
三同建設 重機オペレーター
「重機にオペレーターが乗っていないからオペレーターの危険とかがまずゼロ。ヘルメットもなく何の装備もなく運転できるのが違い。若い人とか現場が嫌だという人も、現場は現場だけど違う感覚で、重機のオペレーターが増えていったらなと」
様々なレガシーを生んだ、大阪・関西万博。閉幕後も未来社会に向けた取り組みは続いています。
■建設現場を取り巻く課題
一般社団法人「日本建設業連合会」によると、建設技能者数は減少し続けています。2005年に393万人だった労働人口は、2024年には303万人まで減少したといい、このうち65歳以上は2005年に約37万人だったのが、2024年には約80万人まで増加。今後10年間で大量の退職者が見込まれるということです。
こうした中、万博の解体現場で導入されている“遠隔操作”重機によって、安全・健康面の確保や幅広い人材の雇用に期待されています。また、1人で複数台の操作が可能なものもあるといいます。
一方で、“遠隔操作”の課題として繊細な作業がより難しいことから、有人・無人エリアの徹底が必要です。
■国も建設業の将来に向けた取り組み強化
国土交通省は、建設現場のオートメーション化による生産性向上を目指していて、2040年までに省人化3割、生産性1.5倍向上を目標としています。
オートメーション化によって実現を目指す社会として、国交省は次のようなイメージを示しています。
〇誰でも遠隔でロボット・建機を操作できる
〇AIが工程・安全をコントロール
〇遠隔・自動で完成検査
〇ICT技術で建設現場を効率的に管理
〇危険な場所でも自動で作業できる
〇無人で道路・橋ができあがる
〇ロボットに最適化された作業現場に
〇建設現場の完全無人化
〇非接触で地質の調査が可能に
(「newsおかえり」2026年2月11日放送分より)
操縦席に人がいない! 万博解体現場に“遠隔操作”重機を導入 人手不足に悩む建設業界の救世主となるか
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