投開票が迫る衆議院選挙。投票先を選ぶ上で、SNSは重要な情報源のひとつになっていますが、生成AIで作られたフェイク動画も多く出回っています。フェイクを見抜く方法を国際大学の山口真一教授に聞きました。
一見、特定の候補者支持を訴える5人の街頭インタビューにみえる動画。YouTubeで「AI動画」として投稿された後、Xに転載。先月末時点で、約80万回再生されましたが現在は削除されています。
投稿に付いたコメントの中には「訴えが心に響きます」など、動画を本物として受け止めたような感想も。YouTubeではAIと明記されていたとしても、転載先ではその表記は見えにくくなります。
山口教授は「去年の参院選ではAIで画像は作れたが、動画は簡単に作れず、クオリティーも低かった。そこから技術が急激に向上した」と話します。
山口教授
「自然災害やクマなどのフェイク動画も拡散した。そういった動画を誰でも作成できる世界がやってきている。さらに技術は進化し、じっくり見ても判別できない世界があと数年でくる可能性もある」
一方で、本物がフェイク扱いを受けるケースもあります。今月1日、ある政党のサポーターが街頭演説の様子をXに投稿。ただ、この投稿を引用して「群衆の動きが不自然」「音声が人工的に聞こえる」というコメントが付けられ、フェイク動画として拡散されました。しかし、別角度の動画を検証した結果、本物と判明しました。
なぜ選挙のときにはフェイクが出回るのでしょうか。山口教授は主な理由を3つ挙げます。
・政治的動機…候補者を当選させるため。世論誘導。
・経済的動機…選挙など注目度の高い話題は数字が稼げる。
・いたずら…いわゆる承認欲求で、軽い気持ちで投稿。
フェイク対策としては、選挙期間は投稿や動画への収益をなくす、選挙期間は投稿自体を制限するなどが考えられるといいます。
山口教授
「規制の話になると、どうしても表現の自由とのバランスが問題になる。収益の停止なら表現の自由と両立できる」
ニセ情報をどう見抜けばよいのでしょうか。
国際大学グローバル・コミュニケーション・センターは、実際に拡散された15のニセ情報について調査。ニセ情報を見聞きした3700人のうち「正しいと思う」と答えた人が半数以上もいる結果となりました。
山口教授は「情報を見聞きしたら考える時間が必要。SNSだけを信じずに、自分でファクトチェックする意識をもつことも大切」といいます。
山口教授
「私の調査では、批判的に物事を考えることができると自信たっぷりな人ほど、騙されやすいことがわかっている。謙虚な気持ちで情報を見かけたら考えるクセをつけてほしい」
(「newsおかえり」2026年2月6日放送分より)
衆院選で拡散されるフェイク動画の対策は?「収益をなくせば、表現の自由と両立できる」 フェイクを見抜くには「自分でファクトチェックする意識を」【きょうの深掘り】
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