高市早苗総理は19日の会見で、23日に召集される通常国会で衆議院を解散すると発表。解散後の選挙は27日公示、2月8日投開票で行われます。
“異例ずくめ”といわれる今回の解散。高市総理の思惑は?
また、野党の立憲民主党と公明党は新党「中道改革連合」を立ち上げ。過去の選挙前にも新党は誕生しており、このタイミングで結成に踏み切る背景とは。法政大学大学院の白鳥浩教授と“深掘り”します。
■そもそも衆議院の解散とは 「69条解散」と「7条解散」の2種類がある
衆議院の任期は4年で、解散によって任期が終わる前に議員全員が辞職することになります。これまで解散は26回行われてきました。
衆議院の解散は、憲法69条と7条で規定されます。憲法69条では、内閣不信任案が可決された場合に、10日以内に内閣が総辞職するか、衆議院が解散するか選ばなければならないとされています。衆議院の解散によって行われる選挙では、内閣と衆議院のどちらが正しいのか国民に問うという目的があります。
内閣不信任案が可決された後、衆議院が解散されたのは過去4回で、1948年と1953年の第2次・第4次吉田茂内閣、1980年の第2次大平正芳内閣、1993年の宮沢喜一内閣です。
多いのはもう一方の憲法7条による解散です。7条では「天皇が内閣の助言と承認によって行う国事行為のひとつ」と位置づけられていて、総理の好きなタイミングで行うことができるという解釈もあります。
総理が新しい政策に対する国民の信を問いたい場合や、党勢拡大に有利と考えるタイミングに解散が行われる場合もあります。
■高市総理の目的は? “異例ずくめ”の解散
ただ、今回の解散は“異例ずくめ”という指摘もあります。通常国会冒頭での解散によって2月に衆院選が行われるのは36年ぶり、任期の3分の1に満たない在職454日での「7条解散」は戦後最短で、解散から16日後に投開票が行われた場合には、戦後最短だった岸田内閣より1日短いということになります。
白鳥教授:
新年度が始まる前に必ず予算というのを通さなければいけない、非常に重要な時期です。地域によっては、東北とかですね北海道の豪雪地帯では投票困難な場合もあるかもしれません。そうなると、果たして本当に民意の反映なのかという問題が出てきます。
なぜ在職454日という短期間での衆議院解散となったのでしょうか。ANN世論調査によると内閣支持率は63.0%、政権発足から2カ月あまり経ちますが高い数字をキープしています。
白鳥教授によると、今回の解散について「名づけるなら勝ち逃げ解散。予算委員会で野党から追及されたり、中国のレアアース規制の影響を受けたり、支持率が下がる前に選挙に踏み切った」という見解を示しています。
白鳥教授:
今後、支持率が上がる要因はあまりありません。長くやっていくと様々なところでボロが出て、批判もされていきますから、だんだん支持率は長期低落の傾向に入っていくのだろうと。支持率が落ちていく前に今やっておきたいという考えがあったのだと思います。
■選挙前に新党誕生しがち? 過去の事例を振り返る
一方、野党の立憲民主党と公明党は、新党「中道改革連合」を立ち上げました。綱領には「責任ある中道改革勢力として立ち上がる」と記され、政策の5本柱として「経済」「社会保障」「包摂社会の実現」「外交・防衛」「政治改革」を据えました。
国政選挙前に新党が誕生した事例は過去にもあります。2017年の衆院選前には小池百合子都知事が「希望の党」を立ち上げました。前原誠司氏など民進党の一部が合流し、政権交代もあるのではとうわさされる中、民進党からの合流希望者の一部について小池都知事が「排除します」と発言。この発言の影響が大きかったのか、獲得議席は50にとどまり、野党第一党の座も逃します。そして、結党から7カ月で解党となりました。
また、1994年に新生党・公明党・民社党などで結成した「新進党」も似た例としてあげられます。所属議員は当時214人で、小沢一郎氏・二階俊博氏・高市早苗氏・小池百合子氏・石破茂氏・野田佳彦氏・斉藤哲夫氏なども所属。
結党の背景には1996年の小選挙区制の導入があり、大政党・自民党に勝つため各党がまとまって候補を擁立。しかし1996年の衆院選で低迷、内部対立の加速もあり、わずか3年で解党となりました。
■新党結成の背景には「無職になりたくない強い不安が」 政権が取れたら長続きも?
なぜ、選挙前に新党をつくることが多いのでしょうか。白鳥教授は「無職になりたくないという強い不安があり、新党をつくるとメディアに取り上げられ話題作りにもなるが、3年持てばいい方ではないか」と分析します。
白鳥教授:
ただ、これまで新党が失敗した理由は政権が取れなかったためです。今回政権が取れたら、それが求心力となって、意外と長続きすることもあるかもしれません。
■中道改革連合の未来は?「政権を取りに行く姿勢を見せないと、保身のために集まったように見える」
現在の衆議院における議席は、それぞれ立憲が148議席、公明が24議席です。合計172議席で与党に対抗しうるという形になります。
白鳥教授は「新党の寿命は、政権交代の可能性がある限り」「政権を取りに行く姿勢を見せていかないと、単に自分たちの保身のために集まったように見えてしまう」と指摘します。
現職の議員らは新党に加わる一方で、参院議員や地方議員はそれぞれの党に残る形をとります。
白鳥教授は「新党が仮に負けた場合は、元の政党に戻る可能性がある。参院議員や地方議員を残しているのは保険をかけている側面がある」と指摘します。
白鳥教授:
過去の「新進党」や「希望の党」もそうですが、とりあえず目先の衆議院だけ一緒になって、参議院はその後また考えましょうということだと思います。急にひとつになると、お互いにこれまで敵対してきたので仲良くなれるかわかりません。選挙の結果を見て、今後の展開を考えるのだと思います。
(「newsおかえり」2026年1月19日放送分より)
“異例ずくめ”の解散 2月衆院選は36年ぶり 国政選挙前は新党誕生しがち?「中道改革連合」の未来は…「政権を取りに行く姿勢を見せないと、保身で集まったように見える」【きょうの深掘り】
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