兵庫県西宮神社の「十日戎」といえば、開門神事・「福男選び」が真っ先に頭に浮かぶ方も多いのではないでしょうか?
実は福男が駆け込む神社の本殿には、もう一つの名物があります。
それが、「招福大マグロ」。
「大マグロ」は、卸売組合や水産会社などが商売繁盛を祈願し、1970年から西宮神社に毎年奉納しています。
いつしか参拝に訪れた人が「お金が身につくように」と願いを込めてマグロにさい銭を貼り付け始め、いまではびっしりと全身がさい銭で埋め尽くされるほど。
2026年のマグロは全長3メートル、重さ270キロと、23年ぶりの特大サイズ。
(参拝に訪れた人)
「立派に丸々太って僕らの会社も太くしたい!」
8日に奉納されるやいなや、多くの人が願いを込めてさい銭を貼り付けていました。
ところでこのマグロ、「十日戎」が終わったあとはどうなるのでしょうか・・・?
■あまり知られていなかった!?招福大マグロのその後 十日戎の翌日神社に伺うと・・・さい銭が外されたマグロを発見!
12日、記者が西宮神社を取材すると、さい銭がほぼ外されたマグロが。
神社の許可を得て触れさせてもらうと…
(記者)
「硬いですね。」
(西宮神社 権禰宜・亀山剛彦さん)
「寒かったので凍ったままですね。ずっと」
今年の十日戎の間、寒かったこともあり、なんとマグロはまだ凍ったまま。
神職数人がかりで、さい銭が外れたかチェックすると、そのままトラックの荷台に。
マグロは神社を出発し、到着したのは神戸市中央卸売市場東部市場(神戸市東灘区)。
12日は市場が休みのため、一度冷蔵施設に保管されることに。
■職人の手で丁寧に解体されていく大マグロ 解体後はどこへ?
13日、再び市場を訪ねると、巨大マグロは解凍された状態で待機していました。
午前9時ごろ、卸売りの職人たちが集まり、解体がスタート。
(マグロ解体中の職人たち)
「(さい銭)回収しとかな」
「ここ(切れ目)の中に入っとったんやろ」
十日戎の間、マグロがまだ凍ったままだったため、内部からさい銭が出てくることも。
(神戸市東部水産物卸売協同組合 川添育子理事長)
「この大きなマグロにみんなお金貼り付けてね。落ちひんようにね。祈願してはるんやからね。それはやっぱり(解体する時にも)気持ちとして持っておかないかことやし」
マグロはあっという間に、約30分ほどで市販されるブロックサイズに切り分けられました。
刺身にすれば1400人分にもなるといいます。
(西宮神社の神職)
「みなさんの思いが詰まったマグロですので、丁寧に運んでいきます」
■マグロは再び西宮神社に・・・その後は関係者の胃の中に「奉納」 十日戎の終了の報告と御礼をかねて“福配り”
市場でカットされたマグロは、西宮神社にいったん戻ります。
が、それもつかの間、神職がマグロを持って出発。
関係者に、十日戎が無事終わった報告と、お礼をかねてマグロを届けるといいます。
(西宮神社 権禰宜・亀山剛彦さん)
「十日戎のマグロになります。よろしくお願いします」
(受け取った男性)
「ありがとうございます。いつもありがとうございます」
受け取ったのは、毎年、「福」マグロを楽しみにしているという、松田恵司さん。
松田さんは人形芝居「えびす座」の二代目座長で、「えびす様」にまつわる芝居を西宮神社で定期的に公演しています。
(「えびす座」松田恵司さん)
「半分刺身にして、半分はステーキ。ガーリックでちょと炒めて。そしてワインや日本酒でいただくんすよ。これがまた美味い」
■「招福大マグロ」は関係者にとって「1年の起爆剤」 福を受け取り原動力に!?
松田さんは「新鮮な間に・・・」とその日の夜にマグロを食べるとのことで、自宅に伺うと…
(松田さん)
「ステーキと刺身に。一番良いところは・・・(マグロを見て)そうそうそう、刺身で食べないともったいない!」
料理の間も思わず笑みがこぼれる松田さん。
脂ののったトロは贅沢に切り分けて刺身にし、赤身部分はステーキに。
マグロづくしの豪華な晩ご飯になりました。
「招福大マグロ」、お味の方は・・・?
(松田さん)
「(一口食べて)ふふふ、幸せ・・・」
「つらいことがあったら、このマグロの味を思い出します。えびす様が応援してくれているな、と」
「えべっさん」終わった後はどうなるの? 西宮神社・十日戎の「招福大マグロ」 「お金が身につくように」さい銭貼る名物
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