この週末、「高市総理が衆議院の解散を検討している」という報道が相次ぎました。なぜこのタイミングなのか。政治アナリスト・伊藤惇夫氏に聞きました。
12日、“衆議院解散報道”が出てから初めてカメラの前に姿を見せた高市総理。午後1時過ぎに伊丹空港に到着し、13日に日韓首脳会談が行われる奈良県へ向かいました。12日も「解散」について言及することはありませんでした。
伊藤氏は「自民党内だけでなく、官邸の中でも一連の動きを把握していた人は3、4人ほどだった」といいます。
■「支持率が高いうちに逃げきれ解散」と伊藤氏
もし通常国会の冒頭で解散した場合、総選挙は最短で27日公示、来月8日投開票。または来月3日公示、15日投開票が想定されています。
伊藤氏は「支持率が高いうちに逃げきれ解散」といいます。
伊藤氏:高市政権にとって今後、好材料となるものがない。「円安」「物価高」「日中関係」など、野党から攻撃を受ける材料がたくさんある。また、高市総理本人や維新のスキャンダル。高市総理自身に関していうと、政党支部の上限超えの献金があった。維新に関しては”国保逃れ”問題。このような問題を予算委員会で野党から徹底的に追及されると、支持率が維持できるのか不安感が漂ってくる。支持率が高いうちに解散総選挙をして、議席を大幅に伸ばすことができれば、こういった追及も矛先が完全に鈍ってしまう。”逃げ切る”という思惑があるのかもしれない。
(Q 1月解散というタイミングについては?)
伊藤氏:関係筋から流れてきたのは、「高市総理は本格的な物価対策に取り組む、あるいは実績をあげた上で解散をしたがってる」と。そうなれば早くても、本予算が成立した後、春以降ではないかとみていました。”サプライズ解散”は与党にとっては有利だが、今回は自民にとっても「寝耳に水」であり、選挙体制が完全に整ってるとはいえない。
(Q 内閣支持率は高いが、これは自民党支持率に直結する?)
伊藤氏:自民党の政党支持率はそんなに高くない。また、立憲と公明が選挙協力をするということになると、自民には公明票に助けられて当選してきた議員が多くいるので、「高市政権の支持率が高いから、自民が圧勝する」という単純な繋がりで解釈するのは時期早々かと思う。
(Q 解散の大義は?)
伊藤氏:大義は「後からいくらでもくっつければいい」という話になるが、いわゆる積極財政を実現させるためには、強力な政権が必要なんだと、そういった言い回しになるのではないか。
■解散論に対し、野党は…
解散論に対し、連立を組む維新・吉村代表は「(議員定数削減など)国民の皆さんに信を問うて進めたほうが、逆に前に進む可能性もある」と述べました。
野党からは・・・
(立憲・野田佳彦代表)「大義がない。経済・物価高対策と言いながら、政治空白を作る動き」
(国民・玉木雄一郎代表)「(予算案の)年度内成立が難しくなるようなタイミングでの解散報道には、正直驚いている」
(公明・斉藤鉄夫代表)「“中道改革の軸を作る”という我が党の目標の中で、協力できる方とは協力していく」
12日、立憲・野田代表と公明・斉藤代表は選挙協力に向けた意見交換を行いました。具体的な選挙区調整については今後検討していくということで、「政治空白を作るべきではない」という点でも一致したということです。
一方、解散の動きをチャンスと捉える政党も…
(参政・神谷宗幣代表)「議席を伸ばすチャンス。我々の飛躍が、実は高市政権を後支えするのではないか」
また、れいわ・共産・保守の各党も選挙準備を急ぐ考えを示しました。
■「ここで踏みとどまると”決断できない総理”というレッテル貼られる」と伊藤氏
伊藤氏は「野党側の準備が整ってないうちにという思惑もある」といいます。
伊藤氏:自民の場合、小選挙区ではあと空白が20議席ちょっと。これはそんなに難しくない。立憲は「200選挙区で候補者擁立」を目標にしているが、まだ30~40届いていない。野党としては、総理が決断すれば解散総選挙をやらざるを得ない。その中で選挙公約も全然できてないはず。ただ、東京都内のある選挙管理委員会は、総務省からの指示でもう選挙準備を始めていると。だから解散総選挙の可能性が高いだろう。もしここで高市総理が踏みとどまるということになると、逆に「決断できない総理」というレッテルが貼られる可能性もある。解散の方向で動いている感じはする。
(「newsおかえり」2026年1月12日放送分より)
「把握していた人は3、4人ほど」高市総理が衆議院の早期解散を検討 「ここで踏みとどまると”決断できない総理”というレッテル貼られる」政治アナリスト・伊藤惇夫氏が解説
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