年が明けてからも高止まりが続くコメ価格。大阪市内のスーパー「フレッシュマーケットアオイ」によりますと、9日時点で、滋賀県産コシヒカリが5kg4622円、新潟県産コシヒカリが5kg4849円(いずれも税込み)となっています。こうした中、コメ価格が今後下がっていくという見方が強まっています。流通経済研究所の折笠俊輔氏らに話を聞きました。
農水省によりますと、2025年産コメの収穫量は、前年度より約66万t多い、約718万tとなりました。また民間在庫量をみても、去年11月時点で329万tと8月から増加傾向となっています。
先月(=去年12月)の時点では、コメ卸の最大手・神明HDの藤尾社長は「このままいけば、価格が暴落するのは間違いない」と述べ、折笠氏は「早ければ12月中にも下がるが、本格的には年明け以降に下がるのでは」と予想していました。
ただ年が明けてからも、高止まりの状態が続いています。これに対し、折笠氏は「農家からのコメ買取価格が高騰した」ことに加え、「年末年始は価格が下がりにくい」といいます。
農水省によりますと、JAなどの集荷業者が農家に前払いする「概算金」が上昇し、前の年と比べ最高1.7倍になりました。折笠氏は「高温や渇水など、先行きに対する不安感があった。この不安感から、業者が高値でコメを買い集めた」と指摘します。
また年末商戦について、折笠氏は「すき焼き用の肉やカニなど、高いものがよく売れる。スーパー側としても牛肉やカニを売りたいので、コメの値下げに労力をかけないことが大きい」としています。
こうした中、8日発表された米穀機構の調査によりますと、向こう3カ月のコメ価格の見通しを示す指数は「27」でした。(指数は「50」で横ばい。数値が下がるほど、価格が下落する見通しが強まることを示します)これはコロナ禍で需要が落ち込んだ21年9月と同じ水準です。
折笠氏は「各業者間でのコメの取引価格は、12月ぐらいから下がってきている。価格が下がることはほぼ間違いない状況だと思う」といいます。
では、いつコメの価格が下がるのでしょうか。3人の専門家に聞きました。
(宮城大学・大泉一貫名誉教授)
「いま小売各社は、どこが最初に値下げするか“お見合い”状態になっている。決算期の3月には4000円を切るのでは。6月には3500円くらいまで下がる」
(宇都宮大学農学部・松平尚也助教)
「今月に入ると、新米(25年産)の価格が下がるので、今後数百円下がる。3月には4000円台前半、夏ごろには3000円台後半」
(流通経済研究所・折笠氏)
「今月から徐々に下がり始め、6月ごろになっても大量に余っていたら3800~3980円くらいになるのでは」
(Q.6月ごろというのは?)
折笠氏:全国で田植えが終わるのが、5月のゴールデンウィークぐらい。6月になると、どれぐらい作付けされたのかがみえてくる。あと3、4カ月で新米が出てくる段階で多くの在庫を抱えていると、焦って『安くしても売り切る』となる。そのヤマが6月ぐらい」
農水省は去年10月、26年の生産目安を25年産より約37万t少ない711万tにすると発表しました。鈴木農水大臣は「売れるからといって生産量を増やせば、価格が暴落して国全体の生産を不安定にする」とし、「需要に応じた生産」とする旨を示しました。
これに対し、折笠氏は「711万tは多くもなく少なくもなく、妥当な量」といいます。
(Q仮に天候不順が起きたとしても十分な量といえる?)
折笠氏:今年余ってくる分も含めて考えると、十分な量だと思う。
最後に、今秋からの新米価格について、3人の専門家に見通しを聞きました。いずれも「3500円程度」で一致しています。
(宮城大学・大泉氏)
「備蓄米の買い戻しがあれば、出回るコメが減る。その場合でも価格は25年産の6月時点の価格と変わらない」
(宇都宮大学・松平氏)
「農水省によると、6月の民間在庫が適正水準を超えると予想。そこに新米の収穫で、夏頃から横ばい」
(流通経済研究所・折笠氏)
「6月まで在庫が多く残る場合は、概算金も落ち着く。上がる可能性は低い」
(Qこれ以上は安くならない?)
折笠氏:物価も生産コストも上がっているので、5kg2000円の時代はもうこない。これからは5kg3500円がスタンダードになるのでは。
(「newsおかえり」2026年1月9日放送分より)
【5kg2000円の時代はもうこない】コメ価格いつ下がる? 専門家が見通しを解説【きょうの深掘り】
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