“きょうの深掘り”テーマは「2026年 家族で知っておくべきお金の制度」です。
今後「住宅ローン」の金利が上昇する見通しですが、借り換えるべきなのでしょうか。「年収の壁」引き上げで、手取りはアップするのでしょうか。また「在職老齢年金」の制度改正で年金カットの基準が引き上げられ、働きやすくなるのでしょうか。
こうしたお金に関する気になるギモンを、ファイナンシャルプランナーの山下 幸子さんに詳しく聞きました。
■住宅ローンの返済方法どうすれば? 変動金利「5年ルール」の懸念点とは
日本銀行は昨年12月、政策金利を0.75%に引き上げることを決定。30年ぶりの高水準となりました。
また、住宅金融支援機構は5日、長期固定金利型住宅ローン「フラット35」の1月の適用分を2.08%に引き上げ、初の2%超えとなります。そして、大手5行も春にも変動型の基準金利を引き上げる可能性があります。
住宅ローンを組む人の8割が利用すると言われるのが「変動金利」ですが、金利が上がれば当然月々の支払額も高くなります。例えば借入金額3500万円、35年ローンの場合、月々の返済額は以下のようになります。
変動金利:0.50% 返済額:9万854円
変動金利:0.75% 返済額:9万4774円
変動金利:1.00% 返済額:9万8799円
変動金利:1.25% 返済額:10万2930円
変動金利:1.50% 返済額:10万7164円
変動金利:1.75% 返済額:11万1502円
変動金利:2.00% 返済額:11万5941円
(※住宅ローン比較診断サービス「モゲチェック」より)
住宅ローンの変動金利には、多くの金融機関で「5年ルール」が定められており、5年間は毎月の返済額を変えず、見直し時も増加を1.25倍に制限するというもので、毎月の返済額の急な上昇を防ぐことができます。
しかし、ファイナンシャルプランナーの山下 幸子さんによると、返済額は変わらずとも金利は変動するため、利息の支払いが増えて元金の返済が後ろ倒しになり、将来の総支払額が増えることがあるといいます。
では、住宅ローンの支払い方法はどうすれば良いのでしょうか。山下さんに聞きました。
例えば、固定金利プランに変更することで長期的な返済計画が立てやすいといいます。ただ現状、変動より金利が高めなのに加え、固定金利自体もここ数年上がっているため注意が必要だといいます。
また、毎月の返済とは別に前倒しで返済することで、返済額を抑えたり期間短縮の効果がありますが、手元に残った資金が減るので緊急時に対応できないというデメリットがあります。
山下さん:
固定金利は高い金利に見直すことになるので、どうしても返済金額が増えてしまいますが、これ以上金利が上がらないという安心感があります。ですから、専業主婦の方や返済金額がたくさん残ってる方は安心を取るのも一つだと思います。繰り上げ返済につきましては「手持ちの余裕資金で」とよく言われております。自分の場合はどれだけ余裕資金があるのか精査した上で、繰り上げ返済をした方がいいと思います。貯金を全部繰り上げ返済に充てるということはしない方がいいです。
山下さんによると、いずれにせよ「金利が上がる前に返済方法を銀行に相談してほしい」ということです。銀行は他行に乗り換えられたくないので、最適なプランを提案してくれるといいます。
山下さん:
いくつかの銀行を比較してみることもありですが、借り換えるとなると手数料がかかってしまいます。返済金額の2%から3%ぐらい、多額のお金を出すことになってしまうと手数料負けしてしまう可能性もあるわけです。なので、まずは借り入れしている銀行に相談して、変動金利を固定化した場合にはどうなるのか、シミュレーションするのが良いと思います。
■年収の壁 引き上げでどのくらい減税?
国民民主党の玉木代表が掲げていた「年収の壁」引き上げ。
所得税の非課税ラインはおととしまで103万円でしたが、2025年に160万円に引き上げられ、今年178万円に引き上げられます。また、基礎控除の上乗せ対象は年収665万円以下とし、納税者の8割ほどにあたります。
第一生命経済研究所・星野卓也主席エコノミストの試算によると、「年収の壁」が引き上げられることによって、おととし103万円だった時と比べた減税額は、年収150万円の人は3万2000円、200万円の人は3万1000円、300万円の人は2万9000円、400万円の人は2万9000円、500万円の人は4万8000円、600万円の人は5万7000円となっています。
山下さんは「家計にとってはうれしい話だが、社会保険(健康保険・厚生年金保険)の加入義務が発生する『壁』は依然残っている」と指摘します。
社会保険料の負担が発生する「106万円の壁」は10月に撤廃される予定ですが、撤廃されると週の勤務時間が20時間以上、学生でない人は社会保険の加入義務が発生します。
山下さんは「これによって年間106万円稼いでいた人も社会保険料を負担することになるので、手取りが91万円になってしまう。約150万円ぐらいまで稼がないと、手取りがなかなか増えていかないので、正直“パートいじめ”ではないか」と指摘します。
山下さん:
元々150万円まで働ける方は働けますが、ただ子どもの面倒やおじいちゃんおばあちゃんの面倒をみられて106万円の中でやってるのに、106万円から150万円って働き方が変わってしまいますので「やれるんだったらとっくの昔にやってるわ」という声が聞こえてきます。
■変わる年金 高齢者の活躍を後押しに?
在職老齢年金制度とは、60歳以上の働く高齢者の賃金と年金の合計が一定のラインを超えた場合に、年金の一部が支給停止される制度です。
例えば、月の賃金が45万円で、厚生年金の受給額が10万円の場合、合計55万円の収入となるはずですが、在職老齢年金制度によって現在は51万円で線引きされているので、超過分の4万円の半額が支給停止となり、合計53万円の収入となります。つまり、年金の支給額が10万円から8万円に減ってしまうことになります。
ただ、51万円のラインが今年4月に62万円まで引き上げられます。そうなると、賃金45万円で年金10万円の人であれば満額受け取ることができます。
山下さんによると「高齢者が働くことで健康が維持され、介護を受ける必要性が減る。家族が介護をする必要がなくなるので、その分家族は外に出て働くことができる。家計にダブルの効果があるのでは」ということです。
(「newsおかえり」2026年1月7日放送分より)
【働く高齢者に朗報】年金カットのライン「51万円→62万円」に引き上げへ 一方、住宅ローン金利は引き上げの可能性…返済方法どうすれば? 2026年に変わるお金の制度を“深掘り”
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