いよいよ、会期末があす17日までと迫った臨時国会。野党の協力もあり、コロナ禍以降最大規模の”およそ18兆円規模の補正予算”は可決しました。
しかし、こちらの話し合いは一向に進んでいません。
(維新・吉村洋文代表 15日)
「スピード感がなさ過ぎて残念に思います。茶番劇です。結論を出さないでしょ? そんな国会まっぴらです」
怒りを露わにする吉村代表。不満のタネは、自民党と共に今国会で成立を目指すとしていた「議員定数議論」が一向に進まないことです。
高市総理大臣は定数削減に前向きなようですが、自民党内は本当にまとまっているのでしょうか。維新は定数削減をセンターピンとしていますが、今国会での成立断念で連立解消につながる可能性は。政治ジャーナリストの青山和弘さんに聞きました。
■定数削減は野党側の反発で断念 吉村代表は「茶番劇」と批判
維新が連立の絶対条件の1つとして挙げていた議員定数削減は事実上、今国会での成立を断念したということになりました。自民と維新が提出した法案は定数1割減を目指すもので、与野党で協議をして1年以内にまとまらなかった場合、小選挙区から25議席、比例代表から20議席を自動的に削除するというものでした。
ただ、これはあまりにも乱暴じゃないかという批判が野党から相次ぎ、野党側は議員定数削減よりも政治とカネの問題の議論が先だとして審議入りを拒みました。それに対して維新の吉村代表は「茶番劇。結論を出さない。そんな国会はまっぴらごめんだ」と怒っていました。
(Q.野党からの反発はやはり大きかった?)
青山さん:
定数削減そのものについては、立憲も含めて野党側は決して反対ではないと言ってるんです。ですから当初は維新も高市総理も「こういう法案を出せば反対しにくいんじゃないか」と考えたんです。ただ、議員定数削減よりも先に政治とカネの問題、企業団体献金の議論をするべきだと反発しました。これは筋が通っていますよね。政治とカネの問題はずっと議論が続いていますので、やはりこの理屈には抗えなかった。また、内心ではこの定数削減に反対の議員が多いので、この理屈が立った中で野党が反対でまとまってしまった。これはある意味読みが甘かったと言っても過言ではないと思います。
■自民党内部は定数削減に消極的 やる気があるのは「高市総理とその周辺だけ」
維新が連立の絶対条件として挙げていた議員定数削減ですが、自民党内は果たしてどんな温度感なんでしょうか。青山さんによると、自民党内でやる気があるのは「高市総理とその周辺だけ」ということです。
(Q.やる気があるのは高市総理の周辺だけ?)
今回この定数削減の連立合意ができたのは維新の呼びかけによるものですが、自民党内で定数を削減すべきだと思っている人は全くいないわけです。ただ連立の条件になったので議論しているということです。ただこれは、高市総理とその周辺が、他の自民党議員に諮らずに決めたことなので、「連立を組まなければ」ということで渋々認めたものの、自民党の中にはやる気のある議員はほとんどいません。結果的にやろうとしていたのは高市総理とその周辺だけという極めて‟お寒い状況”だったということです。
■定数削減断念でも連立解消しない? 維新の本当の狙いは「副首都構想」
維新は議員定数削減を今国会中に成立させると意気込んでいましたが、それが成立しないということになると、連立解消という可能性も出てくるのでしょうか。
(Q.連立解消と言う選択肢はある?)
私も吉村さんに直接取材したんですが、全くないといっていいと思います。今回の自維連立の合意には、この定数削減の法案を「提出して成立を目指す」という言葉がついていたんです。吉村さんからすると「法案はちゃんと自民・維新で合意して提出した。法案が宙吊り状態であっても、提出した=目指した。つまり自民党は約束を守ってくれた」という論理になっているわけです。維新は定数削減をセンターピンと言っていますが、実は本当のセンターピンはやはり‟副首都構想”だったという、維新の思惑が透けて見える形になったと思います。
■維新の勝負所は来年の通常国会か 自維の連立関係は「極めて脆弱」
副首都構想も連立の絶対条件の1つに掲げられていました。副首都構想とは「首都機能のバックアップ体制をしっかり作る」ということを国の政策として進めたいというものです。
維新が提出した骨子には条件があり、都市機能の集積の程度が高い(都市としての中枢がしっかり集まっていて繋がっていることが条件)、東京都との同時被災のリスクが少ない、法律による特別区の設置、を条件として掲げています。最後の「特別区の設置」が大阪都構想ありきではないかという批判も集まりました。
(Q.副首都構想を実現させるまでは、維新は連立を解消しない?)
維新は副首都構想のために連立を組んだので、その前に解消したら何のための連立だったのかという話になります。しかもこの副首都構想は、少なくとも維新案では大阪都構想をやることを前提にした立て付けになっています。ここが本当の狙いだとすると、来年前半の通常国会にかかりますので、ここが本当の勝負になると思います。都構想を前提にする部分を自民党側が外せと言ってきたり、法案を本当に成立させるのかという点で協議が難航すると、そのときこそ連立離脱の危機が訪れると私は見ています。実は「副首都構想は日本海側に面しているうちの方がいい」と主張している自治体もあって、都構想自体に賛成できないという声も上がっています。自民党の担当者に聞いても「都構想を前提にするんだったらうちは飲めない」とはっきり言っています。さらには維新の中にさえ「ちょっと無理があるんじゃないか」という声もあるんですが、吉村代表の中では、都構想を前提にすることが条件だとなっています。この大阪都構想を前提にした副首都構想がどれだけ大事なのか、条件から外してもいいのかというところが重要になってきます。維新が妥協するのか、それとも自民党が他の自治体も含めて説得して、維新との連立を守るのか。来年の通常国会はいろんな波乱の要素があるだろうと思ってます。維新はハードルを高く掲げてきますし、国民民主党の方が本当は連立相手としていいのではないかという声が、自民党内から少し出てきています。維新との連立関係というのは閣僚を出してないということも含めて、極めて脆弱だという印象を私は持っています。
(Q.先送りになった議員定数削減は、来年の通常国会でどうなるのか?)
「今国会で成立を目指す」という合意だったので、来年になって維新がどれだけ強く動くのかは不透明です。基本的に野党は反対ですし、政治とカネの問題、企業団体献金の話も持ち越しになっているわけですから、こっちが先だっていう状況は変わらない。極めて不透明な状況が続くと思います。
(「newsおかえり」2025年12月16日放送分より)
【議員定数削減の成立断念へ】臨時国会の会期末があすに迫る中…高市総理と維新・吉村代表が党首会談 連立解消の可能性は?
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