忘年会などでお酒を飲む機会が増える12月。みなさんは軽い気持ちで飲酒した後に自転車に乗っていませんか?
去年11月から自転車の「酒気帯び運転」が罰則対象となりましたが、その後も各地で違反者が相次いでいます。
大阪府警は先月、去年11月からの1年間で706人を自転車の「酒気帯び運転」で検挙したと発表。酒気帯び運転の自転車が歩行者に追突して骨折させるなどの重傷事故も3件起こっています。さらに、自転車の飲酒運転で、自動車の免許停止処分を受けるケースも。
忘年会シーズン真っただ中のいま、「飲酒運転の新しい常識」を交通事故鑑定人の中島博史さんと“深掘り”します。
自転車の飲酒運転は、アルコールの影響で正常に運転できない状態の「酒酔い運転」のみ処罰の対象でしたが、去年11月の法改正により、呼気1リットル中のアルコール濃度0.15mg以上検出される状態で運転する「酒気帯び運転」や酒類の提供者・同乗者についても罰則規定が整備されました。
Q.呼気1リットルあたり0.15mg以上は、目安としてどれぐらい飲んだら検出される?
中島さん:
大体350mLの缶を1本飲んだら、これぐらいの呼気中濃度になります。
自転車の違反者に、車の免停処分が適用されるケースもあります。
車の免停処分は、道交法で規定の行政処分で一定の点数を超えた場合に適用されるのが一般的ですが、自転車の運転者であっても「車でも重大事故を起こすおそれあり」と判断された場合に、最長180日間停止されることがあります。
中島さんは「去年11月の法改正で自転車の取締りが厳しくなりましたが、そもそも自転車は軽車両に区分されます。車の運転免許を持っている人は道交法を知っているはずなので、“免停”は当然」と指摘します。
中島さん:
法律は「知らなかった」で許されるものではないので、車を運転する人は酒を飲んで自転車を運転してはいけないことは知っておかなくてはいけません。にもかかわらず、飲酒運転しているような人は自動車に関しても交通ルールを守らない危険性があると判定されてしまうと、免許の停止まで至ります。
また「電動キックボード」の飲酒運転による車の免停は、今年1~9月にかけて77件に上ることが明らかになっています。特定小型原動機付自転車に分類される「電動キックボード」は運転免許なしで運転できますが、酒酔い運転や酒気帯び運転には罰則が科されます。
警察庁によると、2025年上半期の特定小型原動機付自転車関連事故のうち、運転者が飲酒していた割合は17.8%と、一般原付0.6%、自転車0.8%を大幅に上回っています。
中島さん:
ちょっと飲んで帰るときに、ふと見るとレンタルスペースがあって、家の近くに返せるところがあるとなると、使いやすいことがかえって違法な取り方をする人にも使いやすくしてしまっているのだと思います。
電動キックボードをめぐっては規制の動きもあります。フランス・パリでは死亡事故が相次ぎ発生したことから歩道走行などの運転マナーが問題となり、2023年にレンタルサービスが終了しました。また、東京・渋谷でも今年のハロウィンに駅周辺でレンタルサービスの電動キックボードの使用が禁止されました。
では、こうした飲酒運転を減らすためにはどうすれば良いのでしょうか?
例えば、自転車と車の事故の場合、自転車の方が飲酒運転をしていて過失の割合が大きくても、車の責任が重くなるケースが多くなっています。中島さんは「今はドライブレコーダーも普及していて、客観的になぜ事故が起こったのか判断することができます。『交通弱者』であっても、飲酒運転などのルールを無視した場合は、しっかり責任を負わせるようにするべき」と指摘します。
中島さん:
結局法律というのは、社会が円滑に営まれるためのルールなので、みんなが守ればスムーズに交流ができるというツールです。ただ、あまりにも悪質な人が多いと、どうしても規制規制という形になってしまうので、できれば規制は少ない方が良いのですが、今回に関して言えば目に余るところから規制が強まったのだと思います。
(「newsおかえり」2025年12月15日放送分より)
自転車の飲酒運転で「免許停止は当然」 罰則強化後も違反者相次ぐ 忘年会シーズンに知っておきたい【きょうの深掘り】
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