日本維新の会が連立の“絶対条件”の1つとして求めていた「議員定数削減」。高市総理と日本維新の会の吉村代表が1日に会談し、与党内の議論に決着をつけました。
国会議員数の削減を進める背景には、どのような思惑があり、どのような問題点があるのでしょうか。また、国民にどのような影響が出るのでしょうか。
議会制度に詳しい同志社大学・武蔵勝宏教授と“深掘り”します。
■選挙区と比例で45議席削減へ 維新が前のめりの背景は
自民と維新が目指す削減の内訳は小選挙区で25議席、比例代表で20議席の合わせて45議席です。今後、与野党で協議を進め、1年以内に結論が出なかった場合、自動的に削減することで合意しました。
当初、維新は比例代表で50議席削減することを提案していましたが、野党が強く反発し、内訳を変更しました。
今週にも自民・維新共同で法案を提出する予定です。
武蔵教授:仮に小選挙区制しかないということになれば、中小政党は議席がほぼゼロになります。国会は多様な民意を反映させる役割がありますから、小選挙区だけに限定せず比例代表制を並立させることになっています。
議員定数削減には、維新が前向きな姿勢を示しています。
背景には、2011年に地域政党「大阪維新の会」が大阪府議の定数を約2割削減する条例案を強行採決し、30議席減らした実績を、国政にも持ち込みたい維新の思惑があります。
維新は大阪府議会での議員定数削減で「大阪府の財政は黒字化した」とアピールしています。
この際、大阪維新は、様々なコストカットとセットで議員定数の削減を断行しました。住民に行政のサービスカットを受け入れてもらうために、自身にも痛みを伴う改革を行った形です。
ただ、同様のことを国政で行うにあたって、国民にどのような『身を切る改革』の代償があるのか、現状十分に説明されておらず、その点も課題が残ります。
■議員定数削減のメリット・デメリット 一票の格差と多様な民意の反映が課題に
削減することには、議員歳費などのコストカット、人数が少なくなることによる意思決定のスピードアップが挙げられます。
一方、議員を削減するデメリットについて、武蔵教授は「多様な民意が国政に反映されなくなる」と指摘します。
とりわけ、比例代表を削減すると少数政党に不利となります。
また、小選挙区を減らした場合、当選するのに必要な票数が選挙区によってバラツキが出る「一票の格差」が広がります。
現在最大約2倍の格差が、2・5倍ほどになりそうです。
武蔵教授:これまで最高裁は2倍を超えた場合に「違憲」あるいは「違憲状態」という判決を出してきました。格差を広げるような選挙制度の変更があれば、明らかな「違憲」判決が出る可能性があるのではないかと思います。
■日本の国会議員の数は少ない! 給与削減も考えられるのに・・・
では、そもそも日本の国会議員の数は多いのでしょうか。
人口100万人あたりの議会の定数は、OECDに加盟する38カ国中日本は36位。下から3番目です。
つまり、人口あたりの国会議員の数は、日本はかなり少ないということになります。
定数の削減について「チームみらい」の安野党首は、「1割カットの目的を達成するんであれば、国会議員の首を切るのではなく、給与を削減するやり方もあるはず」と主張し反対します。
国会議員がどれほどのお金をもらっているかという比較でみると、日本は主要な20カ国の中で3番目に高い結果となりました。
コストカットの視点では、議員定数ではなく、議員歳費の削減という手段も考えられますが、現状、日本でその議論は進んでいません。
武蔵教授:G7で日本より国会議員の数が少ないのはアメリカだけで、先進国の中では最低レベルです。現在の議員定数の削減は『身を切る改革』という目的だけで唐突感が否めません。選挙制度全体の議論が必要です。
(「newsおかえり」2025年12月3日放送分より)
「議員定数削減」日本の国会議員はすでに少ない?歳費削減という選択肢もあるのになぜこだわる?維新・自民が合意もなお課題 専門家解説【きょうの深掘り】
カテゴリ一覧
スポーツ
ニュース
音楽
ラーニング
趣味
グルメ
ガールズ
ゲーム
ギャンブル・宝くじ
エンタメ
アニメ・漫画
どうぶつ