ロシアによるウクライナ侵攻から、24日で1年です。ウクライナの民間人の死者数は国連機関によると、確認されているだけでも8006人。
ロシアのプーチン大統領は23日、ビデオメッセージで「核兵器の強化にも、一層力を入れていく」と述べ、侵攻を続けていく姿勢を強調しました。終わりの見えない戦争の行方はどうなるのか、大和大学・佐々木正明教授が解説します。
去年12月、ロシア側は「ルハンシク州・ドネツク州・ザポリージャ州・ヘルソン州の4州とクリミア半島を、ロシア領として認めない和平案を受け入れることはない」と示しています。一方、ウクラナイ側は去年11月、「ウクライナの領土回復」「ロシア軍の撤退」「安全保障の確保」など10項目の和平案を提示しています。
両国の主張が完全に対立しており、和平が成立するのは難しい状況です。
一向に終わりが見えない中、戦争を終わらせるキーマンとなる人物が、中国の習近平国家主席です。習主席は24日、何らかの声明を出し、ロシアとウクライナの「和平案」を提示するとされています。その“地ならし”として、外交トップである王毅政治局委員が各国の要人と会談し、中国が積極的に和平案を出すと各地で言っているようです。(22日にはプーチン大統領とも会談)
なぜ、習主席がポイントになるのか。それは、中国はウクライナとも戦略的パートナーシップを組んでいるからです。ウクライナにとっても、中国は“大事な国”です。その中国がロシアとの間に入ることによって、折衷案が出せるのではないかという話が出ています。
一方で、習主席が「ロシア寄り」の姿勢を少しでも見せると、「新しい冷戦」が生まれかねない状況になるでしょう。
その中国がさきほど、注目の和平案を発表しました。(中国外務省が文書で発表したものを、佐々木教授が翻訳)
しかしその内容は、佐々木氏曰く”新鮮味がない”もので、以前トルコが間に入って取り持とうとした案の羅列にすぎず、肝心な所は先送りされた印象が否めません。
20日、アメリカのバイデン大統領がサプライズでウクライナを訪問しました。これにより、日本はG7で唯一ウクライナ訪問していない国となりました。松野官房長官は会見で、岸田総理のウクライナ訪問は「検討しているが何ら決まっていない」と発言しています。
岸田総理のウクライナ訪問には2つの壁があります。まず一つは、「安全確保の壁」。欧州の場合は陸繋ぎなので比較的容易に行くことができますが、日本は空路となります。自衛隊を要人警護のために派遣することができないため、安全確保が難しいという問題があります。もう一つは「国会のルール」です。会期中の総理の海外出張は、国会の了承を得なければなりません。
こうした2つの大きな壁が立ちはだかっているのですが、このまま訪問しなければ国際社会からどっちつかずの立場に見られかねません。
一方で5月の広島サミットに向けて、岸田総理はドイツにまだ行けていないことから、今後訪問することはほぼ確実とされています。その日程に合わせてウクライナに向かうことも考えられます。
ウクライナのゼレンスキー大統領は日本の「復興力」に期待を寄せていて、岸田総理の訪問も心待ちにしているといいます。戦後の日本の貢献が重要になってくるのではないかと思います。
【専門家解説】ウクライナ侵攻から1年 プーチン大統領を止められるのは…キーマンは中国・習近平国家主席
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